『体を温めよう』

かめさんは体を温めることにした。
汗がじわっと出るくらい。
「ゆっくり」は得意なかめさん。
毎日温めた。

2ヶ月後
「あれ?なんか筋肉に弾力が出てきたよ。」
「ウエストが分かる。」
「肌のカサカサが良くなってきたよ。」
かめさんの体が変わり始めた。

久しぶりにかめさんはダイエットをして急に痩せた友人達に会った。
なんだかみんな疲れた感じ!?
そりゃ細くなったよ。
おしゃれもしているよ。
でも昔のみんなとどこか違う。

学生の頃、スポーツで頑張っていた頃、
もっとみんなピチピチしてた。
ユニホーム姿もカッコ良かったじゃない。
なのにどうしたの?
ウエストどこに行っちゃった?
お尻がペタンコだよ。垂れてるよ?

みんなの体に触れてみた。
腕、お尻、太ももも、
タララン、タララ〜ンと揺れる。
例えると、細いけど”枯れかかった木の棒”みたい。
そう、みんなは食事を減らして痩せたのでした。

かめさんは道で現役学生とすれ違ったりする時、振り返りその後姿を観察する。
学生達は細くてもカッコイイ。
例えると、細くても”張りのある木の枝”みたい。
減食組と全然違うよ。

ダイエットで体重は落ちたでしょうけど、それでいいのかな?
かめさんはみんなと違う道を選んだ。



『ゆっくりだけど』

かめさんはこの町で仲良くなったウサギさんに電話した。
「元気?どうしてる?」
「なんだか疲れたよ。かめさん。」
ウサギは今の辛さを話した。
「そっか、今はいっぱい泣きなよ。泣いた分、後できっと笑えるから。」


1年後、
かめさんはいつものように美味しく食事をして、体を温めていました。

周りが驚きます。
「かめさん、どんどん若くなって行くね。だんだん細くなって来たね。何かしてるの?」
「うん、毎日体を温めて、お腹を空かせないようにしっかり食べているんだ。」
「そんなにいっぱい食べて痩せるわけないよ。食べないで痩せたんでしょ?」

周りは信用しない。
「ダイエットとリバウンドの繰り返しなんて、時間がもったいないよ。」
「コツさえ分かれば、お菓子もビールも止めなくていいのに。」
かめさんはみんなを助けたいと思った。
かめさんは、ゆっくりと山道を登って行きました。




『山道を迷って』

やっと恋の痛みを忘れて前に進み始めたウサギさん。
今いるのは山の3合目辺り。
そこに必死でしがみ付いていました。
下まで落ちないように、食べ過ぎと食べない日で帳尻を合わせて。

ウサギさんの体型は一見細く見えるような、でも実はお腹やお尻にしっかり脂肪の貯えが。
そして、栄養クリーム、下剤、サプリメントは必需品。
あっ、胃薬も・・

これって不自然だよね。
不自然と分かっていても、それを直す方法が分からないんだよね。

待ってて。
ウサギさん。みんなも。
かめさんが教えてくれるから。
自分の歩いた道を教えてくれるから。
さぁ、戦いは終わりです。





『穏やかな波』

3合目にしがみ付いていたウサギさんは時々かめさんから話を聞いていた。
「食事はね、生きるために取るんだよ。健康に生きていくためにはね、いろいろな物を食べなきゃいけないんだ。」

ウサギは食事が楽しいとあまり思えてなかった。
だっていつもカロリーを気にしていたから。
ランチに行けば「もうお腹いっぱい。」と本当はもっと食べたいのに無理して残して、
やせ我慢して、未練たっぷり。
反動で美味しいのか、美味しくないのか、突然食パンを食べ始める。両手にいっぱい。

ウサギは思い出した。
幼い頃のお母さんの料理を。
朝昼晩いろいろな物をしっかり食べて、3時のおやつもデザートもあって。

これが楽なんだよね。自然なんだよね。

ウサギは食事の大波と小波の差を無くし、いつも毎日を穏やかな波に戻した。
いつも毎日にいろいろな物をしっかり食べた。

あとは、かめさんが歩いた道を進めばいいだけ。

楽しく食べて、ゆっくり進もう。
自然が一番いいんだよ。