『ウサギのその後』

ウサギは自分の目的を探すためこの街にやって来た。
何がしたいんだ。
何に成りたいんだ。
ウサギは子どもの頃から周りを笑顔にしてしまう
不思議な力を持った子だった。


みんなが笑っているのが大好きなウサギ。
何に成りたいのか分からなかったけど
みんなが笑顔でいることが一番嬉しい
これだけは分かっていた。


ウサギは人を想う心がある優しい子で、
だから傷付くこともあって、
泣くこともあって、
優しすぎて空周り。
ウサギは太陽や月や星を見て
詩を書いた。
ウサギの書く詩には心があった。
それを見たみんなは
今度は歌って、今度は踊ってと
ウサギはいつのまにか舞台に立っていた。





ある日、夜空を見ていたら
流れ星が光った。
流れ星はウサギの足元に落ちた。
ウサギが拾い上げると、
星は空に帰らなければいけないと言う。
ウサギは弱く光る星を飛べるように励ました。
星もまた疲れたウサギを温めた。

ウサギの言葉はみんなに降りそそぐ。
それを聞いたみんなは喜び、泣いた。
でも、みんなに星は見えてない。
ごめんね、みんな。
この星を待っている人達がいるから、
先に助けるよ。
次はみんなをしっかり助けていくからね。
待ってて、あと少し。
星の準備がもう出来るからね。




じゃあ、紹介するよ。
ボクと同じみんなを助けてくれる星だよ。
勇気をふり絞って姿を見せた星は光を放ち、
暗闇に迷う人の道を照らした。
星に助けられた人々はウサギにもありがとうって。
一瞬びっくりしたみんなも、
優しいウサギに代わりはないよ
正直に言ってくれてありがとうって。

ニコニコ笑顔のウサギは
子どものころから望んでいた
みんなの笑顔が見られて幸せでした。


『再び』

駄々をこねないで。
準備体操をしましょう。
突っ立ったままじゃ高くジャンプできませんよ。
さぁ、次のステージへ出発します。



  

 ウサギは
 これから自らの言葉で発してゆく

     
 誰かの言葉ではなく。