2008年
  パソコンの中で眠っていた「ウサギとかめのお話」が夏の空に始まった



『かめと雲』

かめさんはある小さな島にいた。
少し疲れて、自分のこの先を見つめることができずにいた。
いろいろな事が一度にやって来た。
暗い雲が空を覆い、太陽を隠した。
もちろん自分のやらなければいけない役目は分かっている。
でも進めなかった。

春の暖かいある日、空を見上げると白い雲があった。
心を静かにして雲を見ていた。
「大丈夫!」
えっ、何か言った?
周りには誰もいない。
かめさんは雲を見るのが好きだった。
海岸でときどき雲と話しをする。
「できるよ」
「できないよ」
「がんばれ」
「無理」
雲はいつもいろいろな形になる。
今日の雲は懐かしい人のよう。



かめと雲は会話を続けているうちに、
相手が自分を支えてくれる大事な存在のように思えてきた。
創り上げた想い。
かめと雲は遠く、違いすぎる。
それだけではない。
想いが決して叶わない一番の理由は、

かめ自身が雲で
雲自体がかめだから。
互いを通して見ている
自分自身だった。




『暗い雲』

厚く広がる暗い雲の下にいた時は、
先が見えずにただ泣くだけ。
どこにも出口がなくうずくまっていた。
投げやりになって
「もうこのままでいい」
と何度も思った。
が、
私の手の中にある石はうっすら光る。
「いいのかそれで」
心の声が問う。
苦しかった。

でも、あの暗い雲のおかげで私は成長できた気がする。
あのまま何事もなく進んでいけば、きっと
痛みを知らず、傲慢になり、人のためより自分の欲を考えていただろう。
そしてあの時期がなければ、「誰もが出来る方法」にしていなかった。
すべてが私に必要な事だったのだと今思う。



『雲の姿をかりて』

出会った時、自分の姿が重なった。
何故出会ったのだろう?
初めは混乱した。
私が命をかけて作り上げてきたものを取られるのは嫌だった。
だから隠したこともあった。
でも苦しむ姿を見ていられなくて。
そのうち自分を応援するような気持ちになってきた。
力になれるのであれば、どうぞ使ってください。
あなたが苦しむと私も苦しい、
あなたが嬉しい時は私も嬉しかった。


出会った意味。
今、あなたは多くの人を救っている。
その姿を見せられ、
私にも、そうなりなさい。
というメッセージが
あるのだろう。




『雲へ伝える言葉』

いつも「ふっ」と浮かぶ。
頭で考えて伝えようと思っても
結局、書けなかったり、
この言葉はどうしょう?と迷っていても
あっという間に送信したり。
直感・・だった。

「運命」とか「奇跡」とか
今まで信じてなかったよ
そんなの